地域情報化の推進について
2008年第4回宮田村議会定例会本会議における天野早人の一般質問から
■はじめに
近年、パソコンやインターネットなどの「ICT(情報通信技術)※」が飛躍的に向上し、普及してきました。国も自治体も、その取り組みを推進しています。
1999年に、宮田村は日本福祉大学情報社会システム研究所と、地域情報化に関する支援業務の委託契約を結びました。有線放送の老朽化問題を含め、村の地域情報化を検討することが目的です。同研究所の提言は、2001年にスタートした宮田村第4次総合計画の中に盛り込まれました。
総合計画の策定に続き、地域情報化計画を策定する予定でしたが、先送りとなり、その間にケーブルテレビなどの整備が行われました。2004年に策定委員会が発足し、翌年に策定されましたが、ここまで6 年の歳月が流れています。
この計画は、総合計画後期基本計画にあわせ、2005年度から2010年度までの期間で構想されています。すでに折り返し地点を過ぎており、次の段階を考えなければならない時期にきています。
■宮田村の地域情報化計画の課題
策定までに、長い時間を要した地域情報化計画でしたが、ほとんど実行に移されることなく現在に至っています。
[計画実施の大幅な遅れ]
計画には、目標と取り組みが七項目にまとめられています。第一に、「情報リテラシー教育の実施」が掲げられています。そのうち、構造改革特区への申請の検討などは進展がみられません。
次に、「利用支援」があげられています。そのうち、「退職者、高校生、中学生などによる利用支援体制の構築」については、一時期、宮田中学校や駒ヶ根工業高等高校の生徒の皆さんによる支援が行われていましたが、現在は行われていません。また、「パソコンの操作を仲間で学習しあうなどの草の根的な普及活動に対する支援」も実現していません。
第三に、「将来的な情報取得環境の検討」として「双方向通信の検討」が掲げられていますが、まだ検討がはじまっていません。
第四の「情報発信手段の検討」は、新しい情報発信手段の検討とCATV の普及促進が掲げられていますが、具体的にはなっていません。「役場ホームページの内容、運用方法の検討」についても、デザインの変更はありましたが、住民の参加を含めて検討する組織を立ち上げるという構想は実現していません。
第五に、「発信する情報の検討」については、災害情報として「梅の里ネットワーク」が2006年度に稼働するなどしていますが、2005年度に予定されていた検討組織は設立されていません。
第六に、2007年度に立ち上げるとされていた「IT 人材の育成によるIT 活用推進団体の立ち上げ」は行われていません。この項では、ポータルサイトの開設についての記述がありますが、これについては2008年度に、宮田村商工会が長野県の元気づくり支援金を活用して作成しましたが、村の計画にあるポータルサイトとの関係は、あいまいなままになっています。
最後に、2008年度に「みやだ情報センターの整備」をすると掲げられていますが、実現していません。
[チェック体制の機能不全]
村の計画には、「毎年進捗チェックを行い、必要に応じて構想の修正を図ります」ということや「新技術の動向に目を向け、この計画の内容が現状にそぐわないものとなったときは速やかに改訂を行います」と書かれています。
そうした流れをきちんと踏んでいれば、ほとんどの事業が検討もされていないというような事態には、ならなかったはずです。

■質疑・答弁の要点
2008年12月10日の一般質問で、わたくしはこの問題を取り上げました。
地域情報化の進捗状況をどのようにとらえているのか
答弁(村長):パソコン教室の開催、児童生徒の情報教育も行ってきた。セキュリティーポリシー策定、村のホームページのリニューアル、梅の里ネットワーク、防災安全情報メール、学校安全情報メールを実施している。情報技術活用推進団体の立ち上げや情報センターの整備は、現在のところ進捗していないと認識している。
地域情報化の推進に向けた今後の施策展開についての考え
答弁(村長):計画期間の2010年度までに一定の成果を出さなければと考える。住民への情報発信に努めるとともに、情報化を補う人材の育成や村のポータルサイト運営などについて改めて研究する機会を設け、活用推進団体の立ち上げと情報センターの整備も推進できればと考えている。計画策定時の委員の皆さんから意見をいただく機会を設けながら、できることから実施していきたい。
残りの計画期間の中で、進捗チェックや改定の予定が具体的にあるのか。あるとすれば誰がやるのか
答弁(総務課長):実施状況を毎年チェックしていくことになっていた。識見者1人、各団体から4 人、公募委員3 人、庁内から5人という構成でチェックということで、初年度については行われた。それ以降はされていなかったので、これからの部分でいくと、具体的にチェックいただくのはこの方々と考えている。
IT 活用推進団体をいつ立ち上げるのか
答弁(総務課長):本年度を含めて3 ヶ年の中で進めていきたいと考えている。今年度はまだ3 ヶ月あるので、取り組めることについては、具体的に取り組みたいと思う。
中高生による利用支援体制を復活させる考えはあるか
答弁(総務課長):当時、担当いただいた先生方は、現在それぞれ赴任し、メンバーも変わっている。学校に問い合わせながら、できるということであれば再度立ち上げということになると思うので、確認作業などを進めたいと思う。
■おわりに
村は計画書の中で、地域情報化について「住民をはじめ、企業(産業)、学校、各種団体など、地域を構成する皆さんと行政がそれぞれの役割を担いながら、インターネットなどに代表される高度な情報通信技術を効果的に利用して、欲しいときに欲しい情報を入手したり、自分の意見を相手に迅速に伝えたりすることができるような環境を整え、その結果宮田村を住みやすくし、また村からの情報発信を通じて村をメジャーにすること」であると定義しています。
幅広い住民の皆さんの理解と参加を得ながら、早急に計画の立て直しを図るように求めていきたいと思います。
【参考文献】國領二郎(他)、2007年『元気村はこう創る』、日本経済新聞出版社。斎藤達三、1999年『総合計画の管理と評価 新しい自治体計画の実効性』、勁草書房。田村紀雄(編)、2003年『地域メディアを学ぶ人のために』、世界思想社。土橋幸男、2008年「今、なぜ広聴の時代か?」自治研修研究会(編)『月刊自治フォーラム』583、11-15頁。土橋幸男、2008年「広聴の役割と課題 パートナーシップ行政推進の観点から」『都市問題研究』第60巻第9号通巻693号、3-14頁。土橋幸男、2006年『分権時代の広聴入門 理論と実際』、ぎょうせい。丸田一(他)、2006年『地域情報化 認識と設計』、NTT出版。宮田村、2006年『宮田村第4次総合計画後期基本計画』。宮田村、2001年『宮田村第4次総合計画』。 |