日本福祉大学とのこれから
2008年第3回宮田村議会定例会本会議における天野早人の一般質問から
■はじめに
宮田村と日本福祉大学は、「友好協力宣言」を結んでいます。自治体と大学が、このような宣言を結ぶのは、日本ではじめての試みです。
日本福祉大学は、愛知県名古屋市・半田市・美浜町にキャンパスを置いています。日本で最初に誕生した4年制の社会福祉学部をはじめとした6学部9学科で構成されており、通信教育部や大学院を含めて12,567人の学生が在籍しています。
同大学の「地域づくりプロジェクト」が、宮田村を舞台に活動をはじめたことが、交流のきっかけ
になりました。このプロジェクトとは、学生が自主的に地域づくりを実践する研究グループのことです。
地域と大学の連携に注目が集まる中、大学とのつながりを村づくりに活かしていけるよう、さらなる創意と工夫が求められています。
■友好協力宣言の趣旨
2001年8月26日に、村と大学が「宮田村と日本福祉大学との友好協力宣言」に調印しました。宣言文には「地方自治法、教育基本法にのっとり、地域住民及び学生の未来のための豊かな学習活動を相互に支援し、21世紀における新しい地域社会の創造に向けた共同の取り組みの実現に向けて協力する」という理念などが掲げられています。
■交流の歴史
村と大学の交流は、福祉の分野だけにとどまりません。これまで、さまざまな分野で交流が行われ、たくさんの学生が宮田村に足を運んできました。
[学生主導による交流]
同大学の「地域づくりプロジェクト」が、1998年に宮田村での合宿を行ったことを皮切りに、駒ヶ岳観光・商店街活性化・地域情報化に関する提言、祇園祭のインターネット放送、中央アルプスの環境問題に関する調査、りんごのオーナー制度に関する調査、愛知県はんだ市民まつりにおける宮田村の間伐材の提供、大学祭での特産品の販売と村の宣伝活動などが行われてきました。
「まちづくりフォーラム」という学生の組織もあり、第1回目のシンポウムを開催した際には、宮田村からもシンポジストが出席しています。
[大学主導による交流]
これまで、村内での学生のインターンシップや社会福祉実習、ゼミナール単位の調査活動などが行われています。また、そうした成果を、村内で発表する機会も設けられてきました。
2002年からは、日本ではじめての自治体推薦入試制度が導入されています。これまでに10 人が合格しており(2008年9 月10日現在)、すでに卒業生も出ています。
[村主導による交流]
1999年から、村が大学の留学生会に、りんごの木のオーナー権を贈呈しています。留学生は村内で母国料理を披露するなどして、住民との交流を図ってきました。そうした交流を記念し、宮田村のりんごの木が、愛知県半田市内にある「みなと公園」に植樹されています。
その後、「NFU セミナーin 宮田」と題した講演会の開催にともなう講師の依頼、地域情報化計画の策定支援の依頼などが行われています。
■質疑・答弁の要点
2008年6月12日の一般質問で、わたくしはこの問題を取り上げました。
友好協力に関するこれまでの取り組みと今後の方向性
答弁(村長):友好協力宣言を調印して以来、宣言の趣旨にのっとり、相互に交流を行ってきた。今後は、これまでの成果などをより発展させ、村と大学の連携をどういった分野でできるか、具体的な検討を、情報交換を密接にしながら行っていきたい。
自治体推薦入試制度についての現状認識。進学者に村との関わりを持ってもらってはどうか
答弁(教育長):地元に帰ってきて地域に貢献してもらえたら大変ありがたいとの願い、想いは伝えているが、進路の選択にまで重大な影響を与えてはならない。今後、卒業生や学生が中心となってネットワークの道筋ができ、その中で村に貢献していただければ大変ありがたい。
進学者に村との関わりを持ってもらうことについては、今後の交流活動の中で、検討していかなければならないと思っている。いずれにしても制度は継続しつつ、勉学を志す学生の後押しをしていきたい。
■おわりに
宮田村と日本福祉大学は、特定の分野に縛られずに、さまざまな分野で交流を行ってきました。この交流をきっかけに、新しい特産品まで誕生しています。
これから先、今までの活動を大切に育てながら、新しい仕掛けもつくっていかなければならないと考えています。要点は二つあります。一つ目は「福祉」の分野での連携を強化していくことです。よりよい福祉サービスを提供するため、必要な基礎調査や計画づくりなどで、もっと連携できるはずです。
もう一つは、自治体推薦入試制度で進学された学生の皆さんとの連携です。たとえば、進学された学生の皆さんに「ふるさと大使」を引き受けていただき、村と大学の交流を担っていただく中で、村との関わりを持っていただいてはどうかと思っています。
そうした点を踏まえ、わたくし自身もこの交流に関わってきた一人として、積極的に行動していきたいと考えています。
【参考文献】宮田村、2006年『宮田村第4次総合計画後期基本計画』。 |