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宮田学

中心市街地のまちづくり
2008年第2回宮田村議会定例会本会議における天野早人の一般質問から

はじめに

宮田村の中心市街地

少子高齢化社会や循環型社会に対応した、まとまりのある生活環境を整備するため、防災や防犯の観点からも、あるいは有効な土地利用を実現していくためにも、そろそろ本腰を入れて「中心市街地のまちづくり」に取り組まなければなりません。

これまで、村や村商工会などにより、この問題を考える上で参考になる調査研究がまとめられてきています。たとえば、1995年に村商工会青年部が実施したアンケート調査では、駅周辺について「現状のまま満足している」と回答した方は3.5%にすぎません。1999年に村が実施した総合計画に関するアンケート調査でも、駅周辺の開発について「必要ない」と回答された方は10.4%にとどまっています。

そうした調査結果もあってか、これまで多くの村議会議員が、一般質問で「中心市街地のまちづくり」を取り上げています。ところが、「過去にも多数の指摘をいただいている」、「土地の所有権の問題がある」、「都市計画マスタープランにそって進めていく」という答弁が繰り返されてきました。

たしかに、都市計画マスタープランには「中心市街地の空洞化をどうするのか」、「歴史的建造物をどうするのか」という文言が入っていますが、具体的になにをするのか、つかみきれない内容にとどまっています。

2005年以降、新しい展開があったことは事実です。しかしながら、なかなか具体的な姿が明らかになってこないというのが、村民共通の認識ではないかと考えています。 

日本の中心市街地活性化政策

1998年の「まちづくり三法」の制定以降、中心市街地再生の機運が急速に高まりました。以降、多額の補助金が使われましたが、総務省の調査によると、その成果は少なかったようです。

新しい建物や道路にお金をかけるだけでは、中心市街地は活性化しません。実効性のある計画をまとめ、できることから着実に実践することが求められます。

宮田村の中心市街地の現状

村の地区別人口の推移

宮田村の中心市街地は、町一区、町二区、町三区にまたがっています。したがって、中心市街地だけにしぼった正確なデータを把握することができません。

ここでは、あくまで参考までに、町二区を取り上げたいと思います。まず、村全体の人口推移をみると、1978年から2007年までに1798人増加しています。ところが、町二区に限ると352人減少しています。減少しているのは、町二区とつつじが丘区のみで、つつじが丘区は同期間に101人減少しています。

次に、1990年から2000年までの高齢化率の推移をみると、村全体の高齢化率は約15%から約20%へと、おおよそ4%上昇しています。一方で、町二区は約12%も上昇しています。

三つ目に、1997年から2007年までの村全体の農地の転用状況を確認すると、約40haの農地が転用されており、その約半分が宅地に転用されています。小さな村の中で、ドーナツ化あるいはスプロール化が、かなり進行していることがわかります。

中心市街地に関する宮田村の取り組み

みやだ中心市街地研究会の検討範囲

2005年12月に、県道栗林線、村道町西裏線、駅南線で囲まれたエリアの地権者が集まって「地権者懇談会」が開催され、2006年2月には土地の所有者と借りている方も含めた「関係者懇談会」が設置されました。その中から数名を選出し、同年12月に「みやだ中心市街地研究会」が発足しました。

なお、2007年に同研究会が、土地の所有者と借りている方を対象に実施したアンケート調査を実施した結果、「整備が必要である」という回答が80%に達しています。

村は2007年度に10万円、今年度は50万円の予算を計上しています。2007年度は、コンサルタントへの謝礼とアンケート調査に使われましたが、今年度の用途は決まっていません。

質疑・答弁の要点

2008年6月12日の一般質問で、わたくしはこの問題を取り上げました。

質疑中心市街地の空洞化についての現状認識
答弁(村長):たいへん深刻な状況。駅前から県道宮田沢渡線周辺一帯の活性化は、村の大きな課題であると認識している。

質疑中心市街地に関するこれまでの取り組みとその成果
答弁(村長):2007年12月より、県道栗林線、村道町西裏線、駅南線で囲まれた関係者で数回の懇談会を行ってきた。現在、宮田中心市街地研究会で研究を進めているところ。研究会は、地主の代表と借地借家の代表、駅前整備を行っている一輪の会の代表で構成している。昨年、関係者にアンケートを行った結果、9割が整備を希望しており、具体的な段階へ進めてよいという確認がとれた。

質疑中心市街地の再生に向けた今後の課題
答弁(村長):一輪の会による駅前の環境整備は、地主の好意があってのもので、このままというわけにはいかない。研究会を即急に軌道にのせて、専門家を加える中で、具体的な研究に着手していきたい。

質疑歴史的建造物を中心市街地のまちづくりとどのように関連づけるのか
答弁(村長):江戸から明治の古い建物も多く残されているが、ほとんどが一般住宅であり、本陣のように歴史的な意義を持っているものは少ない。歴史を大事にする、文化を大事にするという位置づけでは重大な問題であり、研究の討議のなかに提案として収めていきたい。

質疑村が想定しているエリア、あるいはその関係者だけでなく、近隣の商業者や居住者、研究機関の力を借りてはどうか
答弁(村長):委員会の拡大は過去にも検討したが、中心となるところが一本にならないと、まとまらないということで、エリアが広がらなかったという経過がある。今後の委員会構成は、多くの声を求めながら、市街地とすべき範囲を明確にしていきたい。

質疑2008年度予算に計上した駅前整備調査費50万円の用途
答弁(村長):開発行為には専門的なノウハウもあるので、そういった勉強あるいは視察などの研究費用にしたいと考えているが、具体的な部分は明確になっていない。

おわりに

今後「中心市街地のまちづくり」を進めていくために、三つの視点が重要であると考えます。まず、ドーナツ化あるいはスプロール化を、適正に調整する方法について検討しなければなりません。そのことは、中心市街地だけの問題にとどまらず、村全体で虫食い状態になっている農地の保全にもつながるはずです。

次に、村が想定する限られた範囲の関係者だけではなく、近隣の居住者や商業者の理解と参加を得ることが不可欠であると考えます。まず、中心市街地全体をどのように盛り上げていくのかを固め、その中で駅前エリアを位置づけてくような環境を整えていかなければならないと思います。

最後は、中心市街地の歴史的建造物についての問題です。地域の個性を活かしたまちづくりを進めるためにも、さらには防災上の観点からも、歴史的建造物の専門的な調査を行う必要があると考えています。以上の課題を念頭に、調査研究を続けていきます。

【参考文献】ぎょうせい総合研究所、1999年『宮田村第4次総合計画策定のための村民アンケート調査 集計表』。『信濃毎日新聞』,2007年1月3日、5面。都市計画協会(編)、2007年『コンパクトなまちづくり 改正まちづくり三法による都市構造改革』、ぎょうせい。日本建築学会(編)、2005年『まちづくり教科書9 中心市街地活性化とまちづくり会社』、丸善。野口和雄、2004年「『中心市街地活性化法』を総括する」クッド研究所、学芸出版社(編)『季刊まちづくり』第2号、12-19頁。細野助博、2007年『中心市街地の成功方程式 新しい公共の視点で考える”まちづくり”』、時事通信社。宮田村、2006年『国土利用計画(宮田村計画)』。宮田村、2006年『宮田村第4次総合計画後期基本計画』。宮田村、2002年『宮田村都市計画マスタープラン』。宮田村、2001年『宮田村第4次総合計画』。宮田村商工会青年部、1995年『明るく豊かな村づくりのために 夢企画21ビジョン アンケート調査報告書及び提言』。矢作博、瀬田史彦(編)、2007年『中心市街地活性化三法改正とまちづくり』、学芸出版社。

2008年01月01日
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