8 月 26 2009
旧新井家住宅をめぐる議論
今日の午前中、宮田村にある旧新井家住宅(宮田宿本陣)を見学しました。村教育委員会の学芸員の方にご足労いただき、現地で説明を受けながら、建物の状況を確認してきました。母屋の屋根や壁、蔵の瓦などに、素人でもわかるくらい痛みがはげしいところがあり、数百万円かかるのではないかとのお話しでした。
旧新井家住宅(宮田宿本陣)は、宮田村総合公園の一角に移築保存されてあるもので、江戸時代の宝暦年間(1751~64年)の建物といわれ、県宝に指定されています。最近、この建物の活用方法をめぐって、村内で議論が起きていました。
村内の民間企業からの要望を受け、本陣をソバの提供施設として活用することを検討していたためです。村は約531万円を負担して、上下水道や電気の引き込み、トイレの設置を行い、それ以外の改修は同企業が負担する計画を立てていました。さまざまな意見が住民の皆さんから寄せられ、賛否それぞれの要望書も提出されたことから、村の対応が注目されていました。
わたくし自身は、本陣の活用に賛成する一方で、江戸時代の生活を知る貴重な建物の一つであることを鑑み、研究者などの専門家に協力を求めながら、改修案を再検討する必要があると主張してきました。
その後、2009年8月5日の村議会全員協議会において、村から、宮田宿本陣の活用計画を白紙に戻し、再度検討するという報告がありました。長野県教育委員会が、現在の計画案は認められないとの見解を示したためです。それを受けて村は、専門家や公募委員による専門委員会を設置し、現在の計画案もあわせて、白紙状態から研究をしていく方針を明らかにしました。
わたくし自身、今後とも文化財保護の立場に軸足を置きながら、活用のあり方について研究をしていきたいと考えています。
