長野県町村議会議員研修会
宮田村議会だより編集委員会『議会だより』(2009年11月号)
天野 早人
七月二十七日、「長野県町村議会議員研修会」に参加しました。主催は長野県町村議会議長会で、毎年、松本市で開催されています。今年は二人の講師による講演が企画され、県内五十七町村の議員や議会事務局職員など、約六〇〇人が集まりました。
一つ目のテーマは、「地方議会の政策立案機能について」で、市町村アカデミー客員教授の大塚康男氏による講演です。同氏はまず、議会の約九十九パーセントが条例・予算を原案通りに可決・同意している現状などから、全国的に二元代表制が硬直化していることを指摘しました。
その上で、議員自らが専門的な知識を拾得しなければならないと述べ、議員を支援する議会事務局を充実させる必要性について語られました。首長の出す議案は、行政組織すべての支援の元にまとめられており、議員が「政策立案機能」を高めていかなければ、首長が出した議案を修正したり、議員自らが議案を出したりすることができないというお話です。
また、北海道栗山町議会が時間をかけて、自ら条例をまとめあげた事例をお聴きし、下から積み上げていかなければ「活きた条例」にはならないということ、そうした議員立法に参画する大切さを再認識することができました。
次に、慶應義塾大学大学院教授(兼、鳥取大学名誉教授)の片山善博氏が、「地方分権と議会改革」と題して講演しました。鳥取県知事として活躍された経験を交えたもので、議会が果たすべき責任の重さについて、改めて考えさせられる内容です。
はじめに、多くの自治体が財政危機に陥っている事例に触れる中で、財政再建団体になった北海道夕張市が例外的な存在ではないことを指摘しました。そもそもの原因は借金のし過ぎであって、それを決めたのは市長や議会であり、道庁や総務省のお墨付きまでありながら、誰もチェックできなかったことに疑問を投げかけました。そして、「財政の持続可能性の担保」が議会の最大の役目であると付け加えました。
つづいて同氏は、市町村で一番大切な政策は「教育」であると力説します。たとえば、いじめ問題の責任は市町村教育委員会にあり、解決できないのは教育委員人事を認めた議会の責任でもあると語りました。また、いじめ問題の解決などを、お金がないから国や県にお願いしようという考え方は、まさに「雨乞い行政」だと批判されました。
最後に、議会の仕事は参考人質疑や公聴会を開き、専門家の意見も聞きながら常識的な判断を下していくことであり、それこそが本当の二元代表制だと述べて、講演を締めくくりました。
二人の講師の問題提起は、議員・議会が本来もっている権限を、十分に使いこなせていないという点で共通していました。
宮田村議会では、今年から「議会活性化勉強会」を開き、さまざまな議論をはじめたところです。今回のような研修会にも積極的に参加し、村議会の活性化につなげていくことができればと思っています。 |